回帰船の元となった絵

回帰船


何度もすくっては こぼれていく 水に溶けてゆくように 君が拾った言葉を
体に馴染ませていく満ちていく事もなく流れる血液がいつか海になるまで

夢の中 愛なのか 僕は探している
絵の中 愛のなか 君を探している

安堵を願っては終わってゆく夜を盗み取るように 君が拾った雨粒を体に馴染ませていく
満ちていく事もなく流れる血液がいつか海になるまで

夢の中 愛なのか 僕は探している
絵の中 愛のなか 君を探している

絵の中 愛なのか 僕は探している
絵の中 愛のなか 君を探している

(art work : コジマユイ)



おとぎの宇宙のジャケット絵

おとぎの宇宙


泳ぎ疲れ浮かんでるシャボンの玉を
土星の輪の軌道にのせてやる
カッシーニの願い事 ジョバンニの旅
共通と相違について 考えている

視野を狭め闇に滑る二次元の星を
狐の尾の形に似せてやる
麦の穂は約束事 シナプスの罪
共有と所有について 考えている

深く

君が在るという真実のイメージと
君が響かせている声のイメージ
僕はイメージを抜かして 君にとける

お伽噺 結んでる魚は夜を
少年は時差ボケ描いている
ラマンチャの英雄気取りで
システムを崩壊させ
共感と脅威について 考えている

深く

(art work : アサノナツロウ)



ユメヨミのジャケット絵

ユメヨミ


僕が詠んで 君が読んで 夜の国は彩られる
君が眠り 僕が目覚める 夢の逢瀬は くり返される

チクタク 朝は 君を奪ってしまうから
辿りつけぬのが幸せだろうって踊り続ける
僕の物語は多元的で 常に新しい君を映している
主人公は多感覚で すでに新しい君を待っている

深く潜り 青を眺めて たった一つの花を 選ぶよ
列車に乗って カンパネルラに会えば
君は穏やかに 笑うのかなあ

チクタク 夢が 朝に辿り着く前に
眠り続けるのも幸せだろうって歌っている

君の物語は多元的で 常に新しい僕を映している
主人公は多感覚で すでに新しい僕を呼んでいる

(art work : dai)



深海クジラ


深く潜れば月面に辿り着いてしまえるような感覚は
強く望んだ絶望に辿り着かない世界と並行する

「君が見ている星の音だって 君が見ている月の夢だって 怖くなくなる術になっているよ」

深海を泳ぎ回る 僕らは・・・

深く潜れば月面に辿り着いてしまえるような感覚は
強く望んだ幻想に辿り着けない世界と変光する

「君が手にする雨の歌だって 君が手にする風の色だって 怖くなくなる 既になっているよ」

深海を泳ぎ回る 僕らはクジラだ



ブルームーン


変わらないもの探していたら辿り着いた
僕から君をなくしたらうまく笑えないな

変わらないもの探していても分からないよ
僕から君をなくしたらうまく泣けないな

何て言ったっけ
これに名前があったんだよな
何で泣いたの
これの正体はまだ分からないのに

月の空 映る地球をながめている
この景色をいつか忘れられないかな
月の海 響く呼吸が聞こえている
その声をいつか忘れられないかな


忘れてしまったら僕じゃないから覚えている
僕から君をなくしたら何が残るの

忘れられないから言葉にできた世界が在る
僕は歌をなくせない 君を歌わなくちゃ

月の空 映る地球をながめている
この景色をいつか歌ってくれないかな
月の海 響く呼吸が聞こえている
その声をいつか聞かせてくれないかな

何て言ったっけ 何て言ったっけ 君は